億万長者の起業家にして人体実験の先駆者、ブライアン・ジョンソンが語る「地球上で最も強力なサイケデリック」体験。 彼はそれを若返りプロトコルと呼ぶ。科学的測定と哲学的考察が交差する、最前線のレポート。
出典:All-In Podcast「Bryan Johnson: I Just Took the Most Powerful Psychedelic on Earth」
5-MeO-DMT(5-メトキシ-N,N-ジメチルトリプタミン)は、ヒキガエルの毒腺や一部の植物に含まれる天然の精神活性物質だ。ジョンソンはこれを「地球上で最も強力なサイケデリック」と表現し、より広く知られるDMTの5〜10倍の強度を持つと述べている。
吸入後わずか10秒以内に効果が現れ、意識は完全に「外側」へ飛ばされる。通常のDMTで報告されるような「エルフ」や幾何学的パターンといった視覚的幻覚はほとんどなく、代わりに言語的思考を超えた「生の意識(raw consciousness)」と「生の知性」に直接触れるような、より根源的な体験が待っているという。
この体験の核心は、脳科学的に説明できる。私たちの脳にはデフォルト・モード・ネットワーク(DMN)と呼ばれる領域がある。自己認識、エゴの構築、過去の反芻、将来への不安——こうした「自分」を維持するための活動を担うネットワークだ。
ジョンソンはこれを「blasted clean(吹き飛ばして洗浄)」と表現した。年齢とともに固定化されていく思考パターンを解除し、神経可塑性を高めることで、脳を若返らせる可能性があると彼は主張する。
体験は決して穏やかなものではない。ジョンソンは「地獄の門が開くような恐怖」に言及しながら、その瞬間に求められるのは「降伏(surrender)」だと語る。執着、コントロール、自我——すべてを手放して「徹底的にイエスと言う」こと。
その降伏の瞬間に広がるのが、想像を絶する「至福と多幸感」だという。彼はこれを、結婚や子供の誕生など人生のあらゆる重要な出来事を凌駕する、「知的な生命体が達成しうる最もダイナミックな体験」と断言している。
体験後に報告された変化は、精神的なものから対人関係に至るまで多岐にわたる。
ジョンソンが他の自己啓発者と一線を画すのは、この体験を主観的な感想に留めない点だ。彼は構造的MRI、機能的fMRI、EEG(脳波)、Kernel(光学脳インターフェース)を用いて、体験前後の脳の血流・神経パターン・電気信号の変化を詳細に記録・分析している。
さらに、サイケデリックと並行して、ミトコンドリア移植、FOXO3遺伝子治療、自身のiPS細胞から作ったオルガノイドによる薬剤シミュレーションなど、最先端のバイオテクノロジーを組み合わせた「若返りプロトコル」を実践している。